ガラスびん3R促進協議会
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涼やかな音色を響かせるリサイクルガラス風鈴

一つずつ吹き上げる河内風鈴は、まさに一点もの。
大きさや形、装飾の凹凸により作りだされる多彩な音色。

ものづくりの街、東大阪で、2000年4月よりあきびんを原料にした河内風鈴をつくり続ける菅二彌(かん・つぎひろ)さん。風鈴づくりのきっかけは、倉敷の芸大でガラス工芸を学び、リサイクルガラスの作品をつくっている娘さんに触発されてとのこと。風鈴のベース部分は、お酒のディスカウントショップから調達した透明のソーダびんを、窯で溶かして吹いています。また装飾の凹凸は、近所で集めた様々な色びんを、ハンマーとコーヒーミルで細かく砕いて溶着。鳴子はびん口をスライスして利用しています。

ベル形あり、釣鐘形あり、一つずつ吹き上げる河内風鈴は、世界に二つとない、まさに一点もの。大きさや形、装飾の凹凸により、音色が異なります。一斉に鳴ってもうるさく感じないのは、多彩な音色がハーモニーを奏でているように聴こえるためだそうです。

厄除け、故人をしのぶ音色として重宝される風鈴。
涼やかな癒しの音色を、東北の被災地の避難所へ。

菅さんが風鈴をつくるのは、毎年9月から5月までの9箇月。その間に吹きガラスの体験も受け入れています。残りの3箇月は、河内風鈴を紹介しながら、各地を販売してまわります。風鈴以外には、酒器や花器なども手掛けています。またガラスの印材を作成し、小学生にハンコづくりの体験も実施。いずれもリサイクルガラスで、年に約1200本のあきびんを集めて利用しています。

夏の風物詩だけでなく、災いからの厄除けとしても重宝される風鈴ですが、東北地方では、亡くなった人をしのぶために軒下に風鈴をつるす習慣があります。それを知った菅さんは、風鈴の涼しい響きで、東日本大震災の被災者の心を癒そうと、4月初旬に、岩手県宮古市と宮城県石巻市へ向かう友人に河内風鈴を託し、避難所に届けました。