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ガラスびんの魅力探訪

ブラジル生まれの北海道育ちの炭酸飲料

株式会社 小原
代表取締役社長
小原 光一 氏

1950年代後期、外資系飲料が日本へ自由化されることに対抗して、
中小飲料メーカーが大同団結し、「コアップ・ガラナ」を開発・販売。

 「コアップ・ガラナ」が開発されたのは1950年代後期のこと。当時、外資系飲料が日本へ自由化されることに対抗して、全国の中小飲料メーカーが「全国清涼飲料協同組合連合会」が中心となり大同団結し、日本コアップ株式会社を立ち上げ共同事業として、1960年に販売を開始しましまた。
ガラナとは、ブラジルのアマゾン川流域に自生するツル性植物の果実のこと。名前の由来は、長寿で勇敢なブラジルの先住民族「ガラニス族」からきています。ガラナ飲料は刺激的な味わいで、祭典の際に、これを飲んだ「ガラニス族」が3日3晩踊り続けたといわれるほど不思議なパワーを秘めており、その魅力が注目されたようです。

 現在では北海道を中心に展開されている「コアップ・ガラナ」ですが、なぜ北海道に根付いているかというと、それには理由があります。実は、津軽海峡があったからかわかりませんが、外資系飲料が北海道に上陸するのが、本州に比べて3年ほど遅れたのです。その3年で「コアップ・ガラナ」が北海道にソウルドリンクとして定着しました。

 バックボーンとしては、北海道全域のJR(当時は国鉄)の物資部に納入できたこと。車内販売もしていました。また道内末端の酒販店まで行き渡ったこともあります。さらに、私は個人的に思っていることですが、北海道のフロンティア精神というか、新天地を切り開くエネルギーに満ち溢れる土地柄が、どこかブラジルと共通するところがあるように思います。「コアップ・ガラナ」には、そんなベースがあるのではないかと、勝手に解釈しています。

▲発売50周年記念ボトル

びんのデザインは京都の舞妓さんの立ち姿をイメージ。
発売当時は200mlと500mlのリターナブルびんを使用。

 「コアップ・ガラナ」の独特なびんの形状は、日本美の象徴である京都の舞妓さんの立ち姿をイメージしており、まさに高度成長期の「メイド・イン・ジャパン」を印象付けるおしゃれなびんは、当時高く評価されました。

 発売当初の容器は、全て200mlまたは500mlのリターナブルびんを使用しており、北海道全域から空きびんを回収して、工場内で洗浄して充填していました。当時は生産が追い付かないほどよく売れましたね。充填後まだ中身が温かい状態で出荷したこともありました。その後、時代の流れとともにさまざまな容器が登場してきたこともあり、2003年にリターナブルびんからワンウェイびんに変更。中身を200mlから230mlに増量して、びんの厚みを薄くして軽量化を図り、アッチックボトルとして発売。2010年には「コアップ・ガラナ」発売50周年の記念ボトルも登場しました。さらに2014年から年に2回限定で、びん入りの「金のガラナ」を発売しています。これは、ポリフェノールやカフェイン、ガラナエキスが約1.5倍入っている、中身にこだわったプレミアム商品です。

 また、北海道新幹線の開業にともない、弊社とサントリーがコラボレーションして、バーボンウイスキー「ジンビーム」を「コアップ・ガラナ」で割った函館のご当地ハイボール「函館 がっつレモン」を企画し、函館市内の居酒屋で展開しています。もちろん「コアップ・ガラナ」はびんのアンチックボトルで出されており、1本でハイボール2杯分楽しめます。

▲金のガラナ
▲函館ご当地ハイボール「がっつレモン」

100人中100人、「びん入りが美味しい!」との声。
アンチックボトルの「コアップ・ガラナ」を定番商品にしたい。

 実は弊社の充填ラインは1本で、「コアップ・ガラナ」について、びんもPETボトルも両方扱っています。使っている原料も水も全く同じなのに、100人中100人のお客さまが「びん入りが美味しい」と言います。なぜなんでしょうか?不思議なのですが、本当にみんな美味しいと言うのです。やはり口あたりや手触り、見た目の感じ方で、美味しさを感じるのでしょうね。それが、ガラスびんならでは大きな魅力だと思っています。

 現在、アンチックボトルの「コアップ・ガラナ」は、函館に限らず道内の観光地や料飲店などで展開していますが、これを定番商品にしたいと考えており、どのようにしてアピールしていくかを模索している段階。道内全域の量販店に向けて、アンチックボトルにガラナのキャンディを付けて販促活動をするキャンペーン計画もあり、そのデータを基に2017年春からの定番化を図っていこうと思っています。

株式会社 小原
代表取締役社長
小原 光一 氏
▲発売50周年記念ボトル
▲金のガラナ
▲函館ご当地ハイボール「がっつレモン」