ガラスびんの3R Q&A用語集

カレット

カレットとはガラス製品を細かく砕いたもののことを言います。
ガラスびんを細かく砕いたものはびんカレットと呼ばれ、ガラスびんのほかグラスウールや造粒砂として路床・路盤材に再生利用されます。ガラスびん原料の約75%はびんカレットが占めています。
家庭から排出されたガラスびんは市町村で収集・選別・保管され、カレット商(カレット製造事業者)やガラスびん以外の他用途の再商品化事業者が引き取ります。
ガラスびんの原料となるびんカレットは、カレット工場で無色、茶色、その他の色ごとのびんカレットに製造されます。色ごとのびんカレットを製造するのは、色別のガラスびんを製造するにはその色のびんカレットしか使うことができないからです。(Q&A「色別に分けるのはなぜですか?」を参照)
ガラスびんを生産するためには良質なびんカレットが必要ですので、家庭からガラスびんを排出する段階で「キャップをとる・中をさっとゆすぐ・空きびん以外のものを混ぜない」という基本ルールを守ることが重要となります。

ゴブ

ガラスびんをつくる際にガラスをびん1本分の重量の塊にする必要があります。このびん1本分の重量にカットされたガラスの塊をゴブといいます。ゴブはオリフィスと呼ばれる耐火物で出来た穴から押し出されたガラスをカットしてつくられます。カットに使われる刃をシャブレード(あるいはシャ)といいます。シャブレードは金属製で、約1,100℃のガラスをカットすることから、潤滑と冷却のため切削油をスプレーしながら使われています。

パリソン

ガラスびんは、ガラスの塊からいきなりびんの形に成形してつくるのではなく、2段階の工程からつくられます。粗型と呼ばれる金型で大まかな形に成形され、次いで 仕上型と呼ばれる金型に移され圧縮空気を吹き込んでびんの形に成形されます。この粗型側で成形されたびんの形に成形される前の大まかな形のガラスをパリソンといいます。
粗型側でのパリソン成形には2通りの方法があります。圧縮空気を吹き込んでつくる方法と金型でプレスしてつくる方法です。圧縮空気を吹き込んでつくる方法を仕上型での成形方法と合わせてブロー&ブロー成形と呼びます。金型でプレスしてつくる方法を仕上型での成形方法と合わせてプレス&ブロー成形と呼びます。
一般に、ブロー&ブロー成形はビールびんや飲料用びんのような細口と呼ばれるびんの成形に用いられ、プレス&ブロー成形はジャムびんやインスタントコーヒーびんのような広口と呼ばれるびんの成形に用いられます。

L値

L値は、世界的な製びん機メーカーであるエムハート社(スイス)が1970年代後半に提唱した軽量度を表す指数で、容量とガラス使用量(質量)との関係を関数で求めたものです。
現在では日本ガラスびん協会においてもガラスびんの軽量度を表す指数として使用しており、L値が小さいほど軽量化されていると評価されます。
L値は以下の数式で計算します。

  • L値=0.44×びんの質量(g)÷満量容量(ml) 0.77

超軽量びん

日本ガラスびん協会では、ガラスびんの軽量度合いをL値によって、レベルIからレベルIVの4つに分類しています。レベルとL値の関係は次の通りです。

  • レベルⅠ・・・L値:1.4以上
  • レベルⅡ・・・L値:1.0以上~1.4未満
  • レベルⅢ・・・L値:0.7以上~1.0未満
  • レベルⅣ・・・L値:0.7未満

超軽量びんは、上記4つに分類した中の最も軽量度の高いレベルIVのびんで、軽量化のシンボルとなっています。
右図は日本ガラスびん協会の
超軽量びんシンボルマークです。

リターナブルびん

リターナブルびんとは、リユースが可能なびんのことで、回収後にきれいに洗浄され、再び中身を詰めて商品化されます。ガラスびんとして再使用(リユース)されるのでごみが削減でき、原料が節約でき、新たにガラスびんを製造する必要がないため製造時のCO2排出量が削減できるので、環境に優しい容器と言えます。
リターナブルびんは、お店や市町村から回収された後、洗びん工程できれいに洗浄され、検査された後にびん詰め工程で中身を詰めて再び商品となり市場で使用されます。検査の結果再使用できなくなったリターナブルびんはびんカレットとしてガラスびんにリサイクルされます。

ワンウェイびん

一般にワンウェイとは、一方向にしか流れないことを意味します。
ワンウェイびんとは、1度しか使わないガラスびんのことです。使い終わったワンウェイびんはガラスびん等にリサイクルできるので、きちんとルールを守って排出すれば資源として有効に利用できます。

Rマークびん

Rマークびんは、日本ガラスびん協会が規格統一リターナブルびんと認定したびんです。多くの事業者にリターナブルびんとして使用してもらえるように、Rマークびんのデザイン(設計図)を開放しています。
リターナブルびんの規格を統一することで、同じ規格のびんを様々な商品に使用でき、より効率のよい再使用(リユース)が実現できます。
日本ガラスびん協会ではRマークびんのシンボルマークを3タイプ用意しています。このマークは、日本ガラスびん協会が意匠権を持ち、リターナブルびんであることを容易に識別できるようにしたもので、日本ガラスびん協会の会員企業が事前に許可を得て製造したリターナブルびんにのみ使用することができます。

Rマークびんにはびん表面にRマークが刻印されています。

エコロジーボトル

原料としてびんカレットを90%以上使用し製品化したものをいいます。エコロジーボトルは、天然原料(けい砂・石灰石・ソーダ灰)の節約に加え、びんカレットは天然原料に比べて溶解する時間は短いため、エネルギー(重油・ガス・電気)が節減でき、CO2排出量も削減できます。(Q&A「ガラスびんをリサイクルするとどうして環境にいいのですか?」を参照)なお、日本ガラスびん協会では、カレット使用率90%以上のガラスびんである「エコロジーボトル」普及推進の一環として、「地球」と「循環」をイメージしたシンボルマーク3タイプを用意しています。

スーパーエコロジーボトル

エコロジーボトルの中でも、その他の色のカレットを90%以上使用し製品化したものを特に「スーパーエコロジーボトル」といいます。
スーパーエコロジーボトルは登場とともに、エコロジー時代に対応した優れた容器であるということが認められ、1993年、世界包装機構(WPO) ワールドスターコンテストにおいてワールドスター賞を受賞しています。(日本ガラスびん協会HPより)

水平リサイクル

水平リサイクルとは、同じ製品にリサイクルすることを言います。リサイクルによる素材の品質低下(リサイクル劣化)がないため、高度なリサイクルといわれています。再び同じ製品にリサイクルされるため、廃棄物の減量だけでなく、天然資源の消費を抑制することになります。
水平リサイクルとは異なり、元の製品より品質が低下するリサイクルを「カスケードリサイクル」といいます。このため、元の製品よりも低い品質の製品にしかリサイクルできません。
ガラスびんはリサイクルしても組成や品質が変わらないため、何回でも水平リサイクルされ、何度でもガラスびんに生まれ変わります。

指定法人

「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(以下、容器包装リサイクル法)の「指定法人」とは、同法の第21条第1項の規定により、再商品化業務を適正かつ確実に行うことができると認められ、主務大臣によって指定される法人のことです。現在は「公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会」が唯一「指定法人」に指定されています。
指定法人は、特定事業者(特定容器製造事業者、特定容器利用事業者、特定包装利用事業者)の委託を受けて分別基準適合物(市町村が分別収集した容器包装ごみのうち、環境省令で定める基準に適合しているもの)の再商品化を行っています(同法22条)。

再商品化義務

容器包装リサイクル法では、ガラスびん・PETボトル・紙製容器包装・プラスチック製容器包装の特定事業者に再商品化(リサイクル)の義務が課せられ(同法11条~13条)、この義務を果たすには、「自主回収ルート」(同法18条)、「指定法人ルート」(同法14条)、「独自ルート」(同法15条)の3つの方法を規定しています。

再商品化実施委託料

再商品化義務を果たす方法の一つである「指定法人ルート」では、指定法人である「日本容器包装リサイクル協会」に再商品化の代行を委託し、「再商品化実施委託料」と「拠出委託料」を支払うことで再商品化義務を履行したと認められます。
再商品化実施委託料は、特定事業者が指定法人に再商品化の代行を委託する料金の一つであり、再商品化委託申込量に再商品化実施委託単価をかけて算出し、指定法人に支払い、これを原資として指定法人は再商品化(リサイクル)を委託する再商品化事業者(リサイクラー)への再商品化委託料として支払います。
容器包装リサイクル法の改正により「市町村への資金拠出制度」が平成20年4月から施行されました。この制度は、容器包装ごみのリサイクルが合理的・効率的に進められ、想定よりもリサイクル費用が少なく済んだ時には、その少なく済んだ分のうち半分を、特定事業者側から市町村へ資金を支払うというものです。市町村へ支払う資金を「合理化拠出金」といいます。拠出委託料は、この市町村に支払う合理化拠出金を賄うために、再商品化義務のある特定事業者が容器包装リサイクル協会に支払う委託料のことです。
特定事業者は「再商品化実施委託料」と「拠出委託料」の両方を支払ってはじめて、再商品化義務を果たしたと見做されます。

自主回収認定

再商品化義務を果たす方法の一つである「自主回収ルート」では、特定事業者が自らもしくは他者に委託して特定容器を回収する場合、主務大臣に申し出て、回収方法が主務省令で定める回収率を達成するために適切なものであることの認定を受けることができます(同法18条)。この認定は容器包装リサイクル法第18条に規定されているため、「18条認定」と呼ばれることもあります。省令では回収率をおおむね90%と定めており、この認定を受けた特定容器は再商品化義務を免除されます。なお、特定事業者は認定された特定容器包装の回収状況を毎年主務大臣に報告しなければなりません。
自主回収認定は、特定事業者ごとに、特定容器又は特定包装(特定容器等という)の種類(素材、色、容量、重量)ごと申請し、認定されます。

環境ホルモン

「ホルモン」は生体内で作られ、細胞間の情報伝達に利用される物質です。近年、環境中に「ホルモン」に似た働きをする物質があることが分かり、これらは「環境ホルモン」と呼ばれています。「環境ホルモン」は科学的に適切な表現では、「内分泌かく乱物質」といい、本来その生体内で営まれている正常なホルモンの作用に影響を与え,その結果,生体の内分泌系をかく乱し,特に胎児や乳児など器官形成の活発な時に生体に望ましくない影響を与えることが問題とされています。

選別センター

選別センターは資源化センターなどとも呼ばれ、自治体が回収した資源ごみを資源として再生利用するために、種類ごとに選別する施設です。自治体が指定法人である日本容器包装リサイクル協会に引き渡す場合、ガラスびんは色ごとに無色・茶色・その他の色に選別されます。

特定再利用業種

特定再利用業種とは、資源有効利用促進法第2条第8項により同法律施行令で定められた以下の5つの業種です。
・紙製造業
・硬質塩ビ管・管継手製造業
・ガラス容器製造業
・建設業
・複写機製造業
これらの業種は再生資源・再生部品の利用に取り組むことが求められています。
ガラス容器製造業の場合、再生資源はびんカレットであり、「カレットの利用に関する判断の基準」として経済産業省の省令でカレット利用率(ガラスの原料に占めるカレットの質量の割合)の目標値が定められています。現在は、2020年度までの目標値として75%となっています。(Q&Aその他 カレット利用率とは何ですか?を参照)