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ガラスびんの軽量化事例

ビールBeer

キリンビール中びん
(500ml)

キリン株式会社(キリンビール株式会社)

キリンビール中びん(500ml) 画像

びんの質量

キャップ・ラベル中身を含まない1本当たりの質量

従来びん
470g
軽量びん
380g
びんの高さ
255mm
びんの高さ
255mm

国内最軽量※のビール中びんを開発。
従来びんより約20%の
軽量化に成功

キリンビール株式会社では20年以上前にビールリターナブル大びんの大幅な軽量化を実現しており、これに続きリターナブル中びんにおいても90gの軽量化を実現。従来びんよりも約20%軽く、ビールリターナブル中びんにおいては国内最軽量※を達成しました。2014年12月より九州地区においてテスト展開しており、10年かけて全国で既存のびんから軽量びんに切り替えていく予定。軽量びんの投入は従来の新びん投入と同じペースで進めていきます。
今回のリターナブル中びんの軽量化においても、リターナブル大びんの軽量化技術と同様にセラミックスコーティングを採用。強度を維持しながら全体の肉厚を薄くしています。

びんの軽量化の目的は、環境負荷の低減と
ハンドリングにおける負荷の低減。

今回のびんの軽量化の目的は二つ。一つは環境負荷の低減で、製造・物流工程のCO2排出量は1千万本製造した場合、年間930トン削減できます。また原料や製造エネルギーも節約できます。
もう一つは酒販店や料飲店などでのハンドリングにおける負荷を軽減すること。1本当たり90g軽量化することにより、20本入りのケースでは約1.8kgの軽量化となっています。これはまさに実感できる軽さで、実際に流通に携わる方々からは、「持ちやすくなった」、「運びやすくなった」という声が上がっています。

従来びんのイメージをそのまま残しながら、
充填ラインの改造を最小限に抑えて軽量化。

今回のリターナブル中びんの軽量化では、肉厚を薄くしたことにより、胴径が従来びんより1.5mmスリムになっていますが、見た目にはほとんど分かりません。軽量化する上で苦労したことは、従来びんのイメージをそのまま残しながら、充填ラインにおいて従来びんと軽量びんが混在する中、すべてのびんがスムーズに流れるようにすることでした。とくにラベルを貼る工程や、びんをケースに入れる工程では、位置合わせの調整に苦労しており、テストを何回も繰り返して最適化を図りました。その結果、充填ラインの改造を最小限に抑えつつ、びんの軽量化を実現しました。

従来びんと軽量びんを識別するために、
肩部にあるロゴ・マークの刻印を変更。

リターナブル中びんを軽量化する中、びんのデザインで肩部の刻印を変更しました。従来びんではKIRINのロゴと麒麟のマークの組み合わせでしたが、新しい軽量びんでは麒麟のマークを外してKIRINのロゴだけになっています。この変更は、従来びんと軽量びんが混在する中、検査工程において確実に識別するためのもので、重要な役割を果たしています。またこの刻印は、びん回収時に他社のビール中びんが混在しても、識別しやすいというメリットがあります。さらに今回のびんの軽量化に伴い、口部の形状も改良。栓抜き使用時の口欠け発生を防止しています。

※2014年11月12日時点、キリンビール株式会社 調査による

3社共通ビール中びん
(500ml)

アサヒビール株式会社 サッポロビール株式会社 
サントリービール株式会社

3社共通ビール中びん(500ml) 画像

びんの質量

キャップ・ラベル中身を含まない1本当たりの質量

従来びん
470g
軽量びん
460g
びんの高さ
255mm
びんの高さ
255mm

軽量化を施した「擦り傷対策びん」の
導入により、
びんの製造時および
配送時のCO2排出量を
年間約175t削減可能に。

アサヒビール株式会社、サッポロビール株式会社、サントリービール株式会社の3社では、容器品質の向上と環境負荷の低減を目的に、3社共通ビール中びんについて、「擦り傷対策」びんを導入。これは1991年に大びんで同様の取り組みを実施したプロジェクトが、そのまま中びんに移行したもので、当時の技術ノウハウが活かされました。従来びんでは、製造時や配送時にびん同士が接触し、びん側面やラベルに擦り傷が発生することがあり課題となっていました。今回の導入では、びんの胴部をへこませることにより、びんが当たる部分を2点に集中させ、擦り傷の発生を抑制しました。
びん胴部のへこみは、わずか0.2mm~0.3mmほど。びんが当たる部分を明確にしたことにより、肉厚を確保しやすくなり10gの軽量化を達成しました。この軽量化では、3社すべての充填ラインで不具合が起こらないよう、関わったガラスびんメーカー各社を含め繰り返し打ち合わせを行い、さまざまな試験を実施して、3社合意の上で仕様を決定しました。現在、軽量化前の従来びんもまだ市場に出回っていますが、この「擦り傷対策びん」にすべて切り替わった場合は、びんの製造時および配送時のCO2の排出量を年間約175トン削減することができます。

グランドキリン
(330ml)

キリンビール株式会社

グランドキリン(330ml) 画像グランドキリン(330ml) 画像

びんの質量

キャップ・ラベル中身を含まない1本当たりの質量

従来びん
170g
軽量びん
140g
びんの高さ
194mm
びんの高さ
165mm

炭酸飲料330mlワンウェイびんにおいて
国内最軽量となる140gを実現。

キリンビール株式会社は、2012年6月よりコンビニエンスストア限定で、ワンウェイびんに入ったプレミアムビール「グランドキリン」を発売しました。これまで同じカテゴリ—で同容量のびんとしてはキリンビール株式会社のチルドビールが170gで国内最軽量でしたが、これをさらに約20%軽量化しで画期的な140gと国内最軽量を更新し、「グランドキリン」で採用しました。これにより、従来びんに比べて1本当たりの原料を30g節約でき、製造時に排出されるCO2が23g削減されることが試算されています。軽量化にあたっては、びんの口部から首部にかけて肉厚になる部分を改善し、びん同士が接触する部分に必要な肉厚を確保。さらにびん底のコーナ一部の曲面径を大きくして肉厚を確保しやすい形状にしました。

ビールをよりおいしく味わっていただくために、こだわりを尽くしたプレミアムなガラスびん。

この商品の開発テーマは、「1本飲むことで満たされるだけの中身の満足感があり、男性がかっこいい自分を自己表現できるプレミアムビール」ということで、他のビールに比べてホップの香りが強くなっています。そんなプレミアムなビールをおいしく味わっていただくために、びんにはさまざまな工夫が凝らされています。国内最軽量や500ml缶と同じ高さと胴径という特徴以外にも、口あたりがよく、香りが広がるグラス感党で飲める広口径、栓抜き不要で手軽に開栓できるマキシキャップ、中身を高品質に保つ黒い色調、ボトルの印象を際立たせる透明ラベルなど、こだわりを尽くしたまさにプレミアムなガラスびんになっています。

500ml缶と同じ高さと胴径にしてコンビニに対応。缶のように気軽に取扱える「びん」。

このびんの開発時のコンセプトは、「500ml缶と同じ高さと胴径にして、コンピニの棚に収まるように」ということ。これには、「コンピニのびんビールというと、一番下の足元の棚が定位置だったのをお客さまの目の高さの棚に並べたい」という、開発者の強い思いが込められています。開発にあたって、キリン株式会社ではビールの容器に関するアンケートを実施。よく購入する容器の形態は圧倒的に「缶」でありながら、おいしいと思う容器については、8 割以上が「びん」と回答しており、それを受けて、缶のように気軽に取り扱える「びん」が誕生しました。

2012年度グッドデザイン賞のほか、ガラスびんアワード2012の機能優秀賞などを受賞。

国内最軽量びんに入った「グランドキリン」は、洗練されたスタイリングに加えて、環境への配慮、飲みやすさ、店頭での取り扱いやすさなどを総合的に評価され、2012年度グッドデザイン賞を受賞。さらに日本ガラスびん協会主催のガラスぴんアワード2012機能優秀賞、日本パッケージデザイン大賞2013の銀賞など、多くの賞を受賞しました。現在、販路を複数のコンピニで拡大している「グランドキリン」ですが、JR東海の新幹線ホームの売店やJR九州の寝台車「ななつ星in九州」などでも、販売されるようになっています。また昨年、香りを追求した「グランドキリン ジ・アロマ」も、同じ軽量びんで登場しています。

キリンビール大びん
(633ml)

キリンビール株式会社

キリンビール大びん(633ml) 画像キリンビール大びん(633ml) 画像

びんの質量

キャップ・ラベル中身を含まない1本当たりの質量

従来びん
605g
軽量びん
475g
びんの高さ
298mm
びんの高さ
289mm

ビールびんの外表面にセラミックス
コーティングを施し、
従来の大びんより21%
軽くした大びんを導入。
20本入り
1ケースでは約2.6kgも軽量化を実現

商品について

大びんは以下の商品を充填しています。
●キリンラガービール
120年以上愛され続けてきた、のどにグッとくる刺激感と、コク・飲みごたえのある味わいの、ホップが効いた日本の代表的ビールです。
●キリンクラシックラガー
ブランド誕生以来100年を超えて愛飲されてきたラガーの1ページを飾り、復刻ラガーキャンペーンでも最も評判の高かった昭和40年頃の味覚を再現した、「コク・苦み・味わい」にこだわった伝統本格のビールです。
●キリン一番搾り生ビール
「麦芽100%×一番搾り製法」で澄みきったうまさを実現した、贅沢なビールです。
●キリン淡麗生(発泡酒)
「本格的なうまさと爽快なキレ味」をあわせもつスタンダードブランドです。

軽量化について(工夫した点など)

ビールびんの外表面にセラミックスコーティングを施し、従来の大びんより21%軽くした軽量大びんを導入しました。
20本入り1ケースでは約2.6kgも軽量化を実現し、2003年6月、軽量びんへの切り替えを100%完了しました。