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空きびんの品質向上策

いま空きびんの品質が
問われています

容器包装リサイクル法の施行により、現在、自治体ではそれぞれのやり方で
空きびんの分別収集を実施していますが、一部では排出のルールが守られず、
ガラスびんのリサイクルがスムーズに行なわれていないところがあります。
空きびんは、新しくつくるガラスびんの原料になる大切な資源です。
ガラスびんの品質を左右する空きびんの品質向上のために、回収には積極的な配慮が求められています。

異物混入の
影響

ガラスびんリサイクルの工程で
さまざまな障害が発生しています

分別収集された空きびんは、主に市町村の資源化センターに運ばれ、色別に選別された後、カレット工場でガラスびんの原料(カレット)に加工され、ガラスびん工場へ納められます。ガラスびんリサイクルの出発点と言える分別収集の段階で、空きびん以外の異物が混入してしまうと、各工程において次のような問題が生じることがあります。

市町村の資源化センターでは

ステーションに排出された空きびんを資源化センターに集め、選別などを行う場合、異物が混入していると、選別に要する作業量が増え効率が低下します。さらに、異物の影響でリサイクル可能な空きびんも残渣(ざんさ)になってしまうこともあります。

分別収集された空きびんは、主に市町村の資源化センターに運ばれ、色別に選別された後、カレット工場でガラスびんの原料(カレット)に加工され、ガラスびん工場へ納められます。ガラスびんリサイクルの出発点と言える分別収集の段階で、空きびん以外の異物が混入してしまうと、各工程において次のような問題が生じることがあります。

カレット工場では

色分けされた空きびんをカレットに加工するカレット工場では、細かく砕けた耐熱ガラスなどの異物が混入すると、取り除くことが難しくなります。家庭から排出される段階で、耐熱ガラスなどが混入していないことが重要になります。

ガラスびん製造工場では

アルミキャップ、耐熱ガラス、陶磁器などの異物が、カレットに混ざった状態で、ガラスびんの原料として利用されると、熔解の段階で溶けずに残り、ガラスびんにキズやヒビをつくることがあり、割れる原因となることがあります。

回収
ガラスびんの
品質評価基準

回収ガラスびん250kg
含まれる異物の量が
抜き取り検査の目安になります

自治体によって回収されるガラスびんの品質向上が強く求められています。異物が多すぎると再利用が不可能なこともあり、回収ガラスびんの品質を一定以上の水準に維持していただくために、目安となる品質評価基準を設定しました。
2006年4月1日より、(公財)日本容器包装リサイクル協会とガラスびん3R促進協議会で統一された、回収ガラスびんの品質評価基準を採用しています。

回収ガラスびんの検査方法[抜取検査]
  • 抜取サンプル量:1サンプル250kg以上
  • 検査場所:自治体のストックヤード(保管場所)、
    または再商品化事業者の工場で、
    それぞれの異物を採取し判定。
  • 検査記録:再商品化事業者が記録し、自治体に報告。
品質ランクと評価基準
対象となる異物 品質区分
Aランク
1トン中の
混入量
抜取検査・目安量
250kg中の混入量

キャップ類

アルミ 30g以下 7.5g以下
50g以下 12.5g以下
その他の金属 50g以下 12.5g以下
プラスチック、
コルク栓等
500g
以下
125g以下
陶磁器 30g以下 7.5g以下
石・コンクリート・
土砂類
30g以下 7.5g以下
調理器、食器、
哺乳びん等の耐熱ガラス
無色ガラスびん中の
他の色のガラスびん
500g
以下
125g以下
色ガラスびん中の
他の色のガラスびん
1,000g
以下
250g以下
ガラスびんの中の
中身残り、汚れ
0
プラスチックPET・
缶・紙等の容器
0
対象となる異物  
Bランク
1トン中の
混入量
抜取検査・目安量
250kg中の混入量

キャップ類

アルミ 60g
以下
15g以下
100g
以下
25g以下
その他の金属 100g
以下
25g以下
プラスチック、
コルク栓等
1,000g
以下
250g以下
陶磁器 60g以下 15g以下
石・コンクリート・
土砂類
60g以下 15g以下
調理器、食器、
哺乳びん等の耐熱ガラス
無色ガラスびん中の
他の色のガラスびん
1,000g
以下
250g以下
色ガラスびん中の
他の色のガラスびん
2,000g
以下
500g以下
ガラスびんの中の
中身残り、汚れ
割れずに中身が残っている状態。
1トン中1本程度
プラスチックPET・
缶・紙等の容器
1トン中1個
対象となる異物  
Dランク
1トン中の
混入量

キャップ類

アルミ 61g以上
101g以上
その他の金属 101g以上
プラスチック、
コルク栓等
1,001g以上
陶磁器 61g以上
石・コンクリート・
土砂類
61g以上
調理器、食器、
哺乳びん等の耐熱ガラス
無色ガラスびん中の
他の色のガラスびん
1,001g以上
色ガラスびん中の
他の色のガラスびん
2,001g以上
ガラスびんの中の
中身残り、汚れ
割れずに中身が
残っている状態。
2本以上
プラスチックPET・
缶・紙等の容器
2個以上

品質確保の
ポイント

空きびんの品質に配慮した
分別収集に
ご協力ください。

空きびんの分別収集は、各自治体の事情に合った方式で実施されていますが、ここでは空きびんの排出段階からストックヤードへの保管まで、品質向上に向けてポイントをまとめてみました。品質向上の取り組みを進めるうえでの参考資料のひとつとお考えください。
(公財)日本容器包装リサイクル協会の「ガラスびんの分別収集の手引き」をもとに作成しました。

分別区分

  • ●空きびんの色別排出は、品質を確保するうえで、もっとも望ましい方式です。
  • ●空きびんの一括排出は、色別排出よりは異物混入の可能性が高くなります。
  • ●他の資源物との混合排出は、異物混入の可能性が高く、収集工程や処理工程での作業の負荷が大きくなります。

集積場所

  • ●交通量をチェックして、排出の際の住民の安全性を確保する必要があります。
  • ●収集車両がアクセスするのに障害がないスペースの設定が必要です。
  • ●収集容器の設置に対して、スペースの確保が必要となります。

収集容器

  • ●コンテナ収集の場合は、コンテナ内のあきびんの状況が確認でき、異物の混入を避けられます。
  • ●品質確保のために、コンテナの洗浄を考慮する必要があります。コンテナが洗浄してあれば、住民の分別排出に対する認識を深められます。
  • ●袋収集の場合、中身の見えにくいポリ袋だと、異物混入に対してチェックがしにくく、住民の正しい出し方に対するモラルが低下するおそれがあります。
  • ●収集袋は、処理工程において残渣(ざんさ)となります。

収集車両

  • ●平ボディ車を用いる場合は、低床車だと積み込み・荷降ろし作業が容易です。
  • ●パッカー車の場合は、平ボディ車に比べてびんが割れやすく、色別収集の場合を除いて、残渣(ざんさ)が多くなります。

資源化センター

  • ●びんを色別排出する場合は、選別作業が不要になります。ストックヤードに搬入する前に異物の混入をチェックすると有効です。
  • ●びん一括排出の場合は、一般に手選別コンベヤ等により色選別を行います。
  • ●他の資源物と混合排出の場合は、一般に袋の除去などの前処理を行った後、他の資源物を分離し、さらに手選別コンベヤ等により色選別を行います。
  • ●びんの破片の色選別は品質確保が難しいため、割れていないびん、びん形状を残したものを選別対象とする必要があります。

住民啓発

  • ●住民に対して、「空きびんの正しい出し方」と「空きびんとして出してはいけないもの」を理解してもらうことがもっとも重要です。
  • ●住民に理解してもらうためには、「空きびんの正しい出し方」と「空きびんとして出してはいけないもの」について、写真やイラストを使って、わかりやすく提示することが必要です。

住民への
啓発
メッセージ

空きびんの品質向上には
住民への
啓発活動が大切です。

空きびんの品質を向上させるためには、「空きびんとして出してはいけないもの」を住民に理解してもらうことが重要です。できる限り住民に理解してもらうためには、「空きびんとして出してはいけないもの」について、写真やイラストを使って、わかりやすく提示することが必要です。

ラベル

ラベルは、はがさなくても
結構です

リサイクル業者によって
機械で取り除かれています

びんカレットの加工作業を行う「カレット業者」のカレット工場内のラベル剥離装置で剥がすことが可能なため、ラベルを剥がして排出する必要はありません。ラベルには商品の中味によって法令に義務付けられている事項をはじめ、必要な様々な情報が記載されています。簡単に剥がれることの無いように企業は配慮しています。

キャップ

キャップは取りのぞいて
ください

びんの口に付いている中栓は無理に取らないで、
そのまま出してください。

プラキャップは燃えると泡を発生したり、ガラスの色が不安定になったりします。アルミキャップは溶けずに残って、ラベル同様にシリコンストーンとなりびんの強度を低下させます。一部のガラスびんの口部にピッタリ装着された中栓は、カレット工場で取り除くため外さなくても結構です。金属キャップ・アルミキャップ・プラスチック製の外キャップ・コルク栓は取り除いてください。

陶磁器

空きびん以外のものはガラスびんと混ぜないでください

茶碗・湯呑み・皿・鉢やコーヒーカップなどの陶磁器類や陶磁器と似ている乳白色ガラスは出さないでください。

陶磁器は、溶解工程で溶けずそのまま残り、その周辺には歪みが生じるため、びんの強度を弱めることになります。絶対に混ぜないでください。また乳白色ガラスはカレットになると磁器との判別が困難になる危険性が高いため取り除いてください。

耐熱
ガラス

空きびん以外のものはガラスびんと混ぜないでください

耐熱ガラス製の調理器・食器・哺乳びんは、
ガラスびんと成分が異なります。

耐熱ガラス(ほうけい酸ガラス)は、一般のガラスびんとは組成が異なり、溶解温度が高く(1600℃位)溶けずに残って、びんの強度を低下させます。

ガラス
食器

空きびん以外のものはガラスびんと混ぜないでください

クリスタルガラス製のコップ・ボール・皿・花びん・灰皿は、ガラスびんと成分が異なります。

一般的なガラスコップは、ガラスびんと組成は同じですが組成の異なるクリスタルガラス等との判別が困難であるため対象から外されています。またガラス食器はそれ自体が商品であり、一般的なガラスびん(容器包装)とは位置づけが異なります。その点からも容器包装リサイクル法の分別対象にはなっていません。

照明・
建築用
ガラス

空きびん以外のものはガラスびんと混ぜないでください

電球・蛍光灯といった電気製品には金属や水銀が混入しており、リサイクルに大きな支障をきたします。

蛍光灯、電球は、細いフィラメント(金属)が混入し、除去が非常に困難です。また蛍光灯の中には水銀が含まれており、水銀使用製品に当たります。法令により、廃棄された水銀使用製品は市町村が適正に回収することになっていますので、市町村のルールに従ってください。

薬品びん

同じ空きびんでも、
農薬・劇薬などのびんは一般の
ガラスびんに混ぜないでください。

容器包装リサイクル法上の一般的なガラスびんと組成は全く同じですが、一般びんに混入すると自治体での手選別作業が非常に危険な作業となってしまいます。そのため日本容器包装リサイクル協会の分別基準適合物からも外されています。