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リユースの取り組み

日本で初めて
ゼロ・ウエイスト宣言を行う
徳島県上勝町

組織概要(平成27年7月)
●人口:1,707人 ●世帯数:832世帯 
●面積:109.63k㎡
■連絡先 上勝町企画環境課 徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下横峯3番地1
TEL:0885-46-0111 FAX:0885-46-0323
※組織概要、連絡先等は、取材当時の情報を掲載しています。最新の情報は、各団体ホームページ等でご確認お願いします。

「ごみをできるだけ燃やさない、埋め立てない」と、
日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言を行いました。

かつて燃やせるごみは野焼きに、不燃物は埋め立てていた歴史がある上勝町では、平成15年に日本で初めて2020年を目標にした「ゼロ・ウェイスト宣言」を行いました。現在、1.リサイクル・リユースの推進による焼却・埋め立てごみの削減、2.ごみになる物を買わない、使わない、3.生産段階から、処理に困らない製品を作ることを求める、というステップで取り組みを進められており、日本最多の34種類の分別収集も実施しています。

びんについては、平成9年の容器包装リサイクル法の施行に伴い、無色・茶色・その他の色に分けて収集。町の中心部にある「日比ヶ谷ゴミステーション」に、住民自ら資源物を運び込むため、収集車は走っていません。このステーションには、一升びんやビールびんなどのリターナブルびんも持ち込まれています。

「日比ヶ谷ゴミステーション」 ▲「日比ヶ谷ゴミステーション」

ステーションに持ち込まれた茶色の一升びんは、
地元特産品の酢橘や柚子、柚香のお酢が詰められます。

ステーションに持ち込まれたリターナブルびんはP箱で保管されています。茶色の一升びんについては、町内にあるJAの搾汁施設に引き取られます。洗浄施設で洗浄された後、上勝町の特産品である柑橘類のポン酢が詰められます。上勝町では昔から、香りの柚子、酸味の酢橘、隠し味の柚香といわれ、これらをふんだんに使用したポン酢は、鍋料理をはじめサラダや焼肉など、幅広く使われています。この地域ではポン酢を一升びんで購入することが多く、町内で一升びんが循環している状況があります。

一升びん以外のリターナブルびんについては、ステーションから町内の酒造メーカーや酒屋に引き取られた後、それぞれのリユースシステムにより、びん詰めメーカーに返却されています。上勝町における平成26年度のリターナブルびんの再利用量は1657kgとなっています。

ステーションに持ち込まれた一升びん ▲ステーションに持ち込まれた一升びん
JA充填施設に引き取られた一升びん ▲JA充填施設に引き取られた一升びん

町内にオープンしたマイクロ・ブルワリーでは、リターナブルびん
に入ったクラフトビールを販売しています。

上勝町のゼロ・ウェイストの取り組みに共感して、平成27年6月、町内に新たなマイクロ・ブロワリーがオープンしました。この施設はステーションに排出された建具や家具を再利用して、地産地消的な考え方を建築設計に取り入れています。ここで造られるクラフトビールは廃棄対象になる上勝町特産の柚香の皮を香りづけに使い、容器はリターナブびんを使用。このマイクロ・ブロワリーには、まさに上勝町が推進する「リサイクル」「リデュース」「リユース」の思想を組み込まれています。

また町内のキャンプ場には、びん入り「コカ・コーラ」の自動販売機が置かれています。飲み終わったびんは自動販売機脇のP箱に戻すようになっていますが、あきびんをステーションに出す町民もいるようで、その場合にはキャンプ場に返却されています。

リターナブルびん入りクラフトビール ▲リターナブルびん入りクラフトビール
びん入り「コカ・コーラ」の自動販売機 ▲びん入り「コカ・コーラ」の自動販売機
取材:平成27年6月25日