リユースの取り組み
オリジナルの新リユースびんを
開発して実証事業を展開
横浜市資源リサイクル事業協同組合
組織概要
設立:平成4年10月 組合員数:121社
横浜市内で資源回収業を営む事業者の組合
●子どもたちから「環境絵日記」を募集 ●3Rの考え方を伝える広報誌「リサイクルデザイン」を発行
■連絡先 横浜市資源リサイクル事業協同組合事務所
神奈川県横浜市神奈川区山内町13番地
TEL:045-444-2531 FAX:045-444-2531
※組織概要、連絡先等は、取材当時の情報を掲載しています。最新の情報は、各団体ホームページ等でご確認お願いします。
オリジナルの新リユースびんを開発して実証事業を展開。
きっかけは、環境絵日記の応募作品「地球に優しいRビン」。
リサイクル業界のイメージアップと地位向上を目指して活動している「横浜市資源リサイクル事業協同組合」では、びんリユースの循環に関わる事業者で構成される「横浜リユースびんプロジェクト」を立ち上げ、環境省の「平成28年度びんリユースシステム構築に向けた実証事業」を実施。オリジナルの新リユースびんを開発し、地産地消をテーマに掲げ、新たなリユース文化の創出を目指して事業を展開しました。
このびんリユースの活動のきっかけとなったのは、同組合が毎年子どもたちから募集している「環境絵日記」の平成26年応募作品「地球に優しいRビン」によるもの。同じびんを使って中身をいろいろ変えられることを表現した絵と「みんなもRビンを使うようになればゴミが減って、地球に優しいと思います。」というメッセージは、びん事業者に大きなインパクトを与え、「横浜リユースびんプロジェクト」の発足、さらに新しいリユースびんの誕生につながりました。
新しく開発されたリユースびんは、数多くあるびんの中でリユースびんであることが、すぐに明確にわかるよう、「リユースびん」と刻印を施しました。また返却してもらうことを一番に考え、とっておきたくなるようなスタイリッシュで格好いいびんではなく、敢えて「ちょいダサ」のデザインにしました。
環境省主催のリユースイベントで新リユースびんによる試飲会を実施。
さらに商店街と飲食店において試験販売、回収方法を検証。
新しいリユースびんを使って限定発売として商品化したのは、横浜ラガー(横浜ビール)とオリツルサイダー(坪井食品)の2種類で、いずれも地元のメーカーによる既存品を充填しています。
平成29年2月12日には、みなとみらいの複合商業施設「クイーンズスクエア横浜」で、環境省主催のリユース普及イベントが開催され、「横浜リユースびんプロジェクト」のキックオフとして、新リユースびんのお披露目と、地元の企業などと共同で開発した香りほうじ茶(川本屋茶舗)・ゆずサイダー(横浜グリーンピース)・小松菜ジュース(横浜グリーンピース)が試飲用として提供されました。
さらに、このイベントの翌日から、新しいリユースびん入り飲料の試験販売と回収検証がスタート。オープン市場としては商店街にあるスーパーの店頭で、またクローズド市場として飲食店のメニューとして販売し、回収調査を実施しました。
平成28年度の事業により、びんリユースに携わる事業者の連携を構築。
次年度は地元に根差した新商品を開発し、回収システムの確立を目指す。
平成28年度の実証事業での大きな成果は、「横浜リユースびんプロジェクト」を立ち上げたことにより、組合のびん商のつながりの幅が大きく広がり、びんリユースに携わる事業者の連携が構築されたこと。今までは得意先の酒屋やびんを納める問屋との限られた接点しかなかったものが、地産地消をテーマにびんリユースに取り組んだことで、地元の飲料メーカーや販売店とつながり、また新しいリユースびんを開発したことで、製びんメーカーとのつながりも生まれました。
今後一番の課題は、オープン市場でいかに空きびんを回収していくかということ。回収実験では、飲食店では100%近く回収できたものの、商店街のスーパーでは、キャンペーンを実施しながら30%ほどしか返却されませんでした。
「横浜リユースびんプロジェクト」では、平成29年度もびんリユースの取り組みを継続。地産地消と地域循環をテーマに、地元の農産物を使ってびん入りの新商品を開発し流通させるとともに、びんの回収システムの確立を目指しています。