自治体の取り組み事例
北海道エリア
北海道
釧路市
釧路市の概要
- ●人口:160,483人(令和5年1月1日住民基本台帳)
- ●世帯数:92,919世帯(同上)
- ●面積:1,363.29km²
(令和5年4月全国都道府県市区町村別面積調) - ●収集方法:びん単独収集
- ●収集容器:専用コンテナ
- ●運搬方法:平ボディ車
- ●収集ステーション:約3,500カ所
- ●分別基準適合物引渡量:
無色529.7t、茶色569.3t、その他の色291.8t
合計1,390.8t(令和4年度環境省資料より)
リサイクルできるものは「資源ごみ」とは呼ばず「資源物」。
市民へ世代ごとにわかりやすいアプローチでリサイクル向上を目指す。
釧路市は、釧路資源リサイクルセンターが稼働を始めた平成6年10月より分別収集を開始しました。施設の稼働当初からガラスびん・空き缶・紙(雑)を扱っていましたが、平成11年よりPETボトル及び白色トレイ、平成17年から容器包装プラスチックの分別を開始しリサイクル資源物収集の範囲が広がりました。釧路市の収集エリアは、釧路・音別・阿寒の3地区で分別排出ルールも同じです。分別以前の釧路市では、ごみは黒い袋で一括排出でしたが、可燃ごみ・不燃ごみ・資源物に区分するにあたり、資源物のガラスびんは先行実施の他自治体を参考にコンテナ収集としました。 現在の収集方法は、市から委託された収集業者が約3,500ヶ所のステーションをエリアごと決められた曜日に、週1回14台の平ボディ車でびん単独収集しています。収集後、釧路市資源リサイクルセンターでは、生きびん(リターナブルびん)保管とワンウェイびんの色別選別・保管を行っています。 選別ラインでは最初にリターナブルびんの抜き取りと、キャップ付のびんやワインびんを別のケースへ振り分け、別工程でキャップを取り外します。手選別ラインに流すびんは無色、茶色、その他の色の順で異物除去をしながら選別後、大型鉄製コンテナへ投入され、そのコンテナはストックヤードに運ばれ保管されます。 釧路市では、リサイクルをして再生利用できるものは「資源ごみ」ではなく「資源物」と呼んでいます。実は釧路市1人1日あたりのごみ排出量(資源物含む)は、全国平均に比べ高く、ごみの減量(可燃ごみや廃棄物を減らす)を実現するための工夫・検討と、分別の精度を高める目標を立てて取り組んでいます。例えば、現在、可燃ごみとして処理している衣類を民間の事業者と連携し、リサイクルできる体制を検討しており、リサイクル率の向上に貢献できればと考えています。 今後もホームページや出前講座、市内小学生を対象とした環境学習カリキュラムや、「親子バス見学会」などのイベント実施。釧路市公式LINEアカウントをはじめとしたSNSを活用した情報発信など、子供を含めた若い世代へのアプローチを高めて、サステナブルな未来へ、資源循環型社会づくりを推し進めていきたいと考えています。
お話を伺った
釧路市 市民環境部
環境事業課事業施設係
総括係長 長濱 健一さん(左)
主任 上平 涼さん(右)
- 分別区分
- びん単独
薬品びんや化粧品びんは不燃ごみ扱いとなっている
- 収集容器
- コンテナ
びん専用のコンテナで、収集日の朝6時にコンテナは設置され、午前9時から収集される流れ
- 収集場所
- ステーション
約3,500カ所設置。可燃ごみステーションに併設される場合と、
資源物単独での軒先設置されている場合がある。
- 袋に入れたびんを専用コンテナに排出する。清掃は収集作業員が行う場合が多い
- 作業員によるステーション収集時はびんが破損しないよう丁寧に行われている
- 収集車両
- 平ボディ車
収集車両は2t平ボディ車、14台で各曜日の資源物(缶・びん・古紙類)を収集。※阿寒地域、音別地域の回収形態は異なる
- トラック側面側の開閉仕切りで、荷上げもスムーズで収集作業の効率アップに。資源物ごとの区切りで整理されている。びんに異物混入がある場合でも収集する
- センターでの荷下ろしは丁寧に扱われ、びんの破損対策にも対応
- 選別手段
- 手選別
選別ライン投入時にキャップ付びんは別工程用に振り分けられ
生きびんは専用ケースに保管される。選別作業員は5〜7名。
- 最初に、プラ・金属キャップ付きびんを別ケースに振り分け色別選別を行う。
- 選別ラインの流し口。びんは色ごとにそれぞれ担当作業員が選別をする
- 茶びんの選別。異物を除去しながら、手前の大きな鉄製ケースに投入する
- 最初に振り分けられたキャップ付きびんは、別工程でキャップを取り外し、色別の鉄製ケースへ。金属製のキャップなどはびんの頭部分をカットし、残りを色別の選別へ
- 保管設備
- ストックヤード
屋外で広いスペースが確保されています。冬場はブルーシートをかけて風雪対策を行っています
- 茶色、無色びんのストックヤード。
- 無色びん
- 釧路市資源リサイクルセンター外観
- 施設内作業処理棟
品質向上のためのポイント
- ●市公式のホームページで分別に関する情報を発信。
- ●ごみ分別・早見表ハンドブックや、くしろクリーンカレンダーの配布。
- ●町内会・自治会からの依頼によって出前講座の実施。
- ●リサイクルセンターを見学後、製紙工場などリサイクル関連の場所をまわる「親子バス見学会」 を昨年より年2〜3回継続し好評。
- ●釧路市公式LINEアカウントを開設。欲しい情報を選択して利用できる生活に役立つ内容を配信。
住民全戸に配布されているごみ分別・早見表ハンドブック
カップ酒・焼酎の容器やキャップも写真で具体例を示し、わかりやすく説明
釧路市公式LINEアカウントを開設し、
ごみの情報を簡単に確認できる
資源物は収集地区ごとに詳しく記載されている
家庭用の資源物収集カレンダー