自治体の取り組み事例
北海道エリア

北海道
遠軽地区広域組合
(遠軽町、湧別町、佐呂間町)
遠軽地区広域組合 構成市町村の概要
- ●構成市町村名:遠軽町、湧別町、佐呂間町(ガラスびん
資源回収について) - ●構成市町村の人口: 30,193人
*令和7年1月1日住民基本台帳
(遠軽町17,646人、湧別町7,901人、佐呂間町4,646人) - ●構成市町村の世帯数:16,124世帯 *同上
(遠軽町9,622世帯、湧別町4,042世帯、佐呂間町
2,460世帯) - ●構成市町村の総面積:2243.18km²
*令和7年1月1日時点全国都道府県市区町村別面積調
(遠軽町1332.45km²、湧別町505.79km²、
佐呂間町404.94km²) - ●収集方法:びん単独収集
- ●収集容器:袋
- ●運搬方法:平ボディ車
- ●分別基準適合物引渡量:無色61.6t、茶色79.2t、
その他の色27.9t
合計168.8t (令和5年度環境省資料より)
安全第一を掲げ、日々改善に取り組みながら高品質な分別・選別を推進。
資源循環が可能な地域社会づくりを目指す。
北海道道東エリアの3町(遠軽町、湧別町、佐呂間町)で構成される遠軽地区広域組合では、容器包装リサイクル法の施行にともない、平成11年10月より資源ごみの分別回収を開始しました。それ以前は、分別を行わず、すべてを埋め立て地に処分していましたが、平成11年以降、収集方法を3町で統一し、可燃・不燃ごみは有料の指定袋で、またプラスチックやPETボトルは透明袋で回収しています。ガラスびんは、飲料、調味料、酒類、栄養剤、化粧品びんを収集し、乳白色びんは不燃ごみとして扱っています。収集は3町ごとに個別に委託しており、収集頻度についても3町で異なります。遠軽町は週1回、湧別町、佐呂間町は月1回の収集です。また、各町ごとに設置された収集ステーションは自治会単位で管理されており、住民のみなさんの意識も高く、びんはほぼ洗浄された状態で排出されています。 令和6年に稼働を開始した「えんがるリサイクルセンター」では、搬入されたガラスびんを手作業で選別し、異物を除去したでうえで、無色びん、茶色びん、その他の色のびんに分けています。茶びんは人の目で判別しにくいため、令和7年より金属探知機を導入し、異物の混入をより細かく発見できるような態勢を整えました。びん内に乾電池やボタン電池などが混入しているケースもあり、道内の他の自治体で、破砕ラインにおいてリチウム電池から発火するという事故も発生しています。このような事故を防ぐためにも、金属探知機を含め、常に精度の高い選別作業を行うことが重要です。その結果として、遠軽地区広域組合では残さ率3~5%を実現しており、高水準な品質を保つことができています。 リターナブルびんについては、リサイクルよりも優先度の高いリユースを重視しており、収集ステーションに排出するのではなく、販売店への返却を住民のみなさんには周知しています。 「えんがるリサイクルセンター」の稼働から約1年。この間、人員の効率的な配置やヤードの使用方法、季節ごとに変化する搬入量への対応など、手探り状態で進んできましたが、現在はオペレーションも整い、作業も安定してきた段階です。今後もより一層作業の安全を追求しながら、さらなる改善を重ね、高品質な分別・選別を実現していきます。そしてガラスびんの3Rを推進しながら、資源循環が可能な地域社会づくりに努めてまいります。
お話を伺った
遠軽地区広域組合事務局衛生施設課
課長 田宮 克彦さん(左)
荏原環境プラント株式会社
遠軽リサイクル管理事務所センター
所長 遠藤 喜万さん(右)
- 分別区分
- びん単独
びん単独(分別は3町統一の収集方法)。ほぼ洗浄されているが、電池、金属、プラの混入がある
- 収集容器
- 袋
排出手段としては指定袋はなく、びんが見えやすい透明、半透明袋を見えやすい使用する
- 収集場所
- ステーション
ステーションの管理は3町ともすべて自治会が行っている。
- 収集車両
- 平ボディ車
資源物の収集車両は、平ボディトラック車で稼働(収集車両は町所有車及び受託業者所有車)。委託収集業者によって車両と収集日の設定が異なる。
不燃ごみ、粗大ごみ収集を含めた収集車両は
遠軽町:パッカー車8台、トラック13台、31名
湧別町:パッカー車3台、トラック3台、11名
佐呂間町:パッカー車3台、ダンプ5台、6名
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資源物収集に使用するトラック
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開放可能な屋根 (ネットで覆うタイプ)付きの仕様
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荷台にはコンテナが設置された収集車両もある
- 選別手段
- 手選別
手選別作業台では、2名で収集袋から取り出したびんの異物除去を行い、無色・茶色・その他の色に選別。清掃も行き届いている。
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フレコンバックで一時保管後、フォークリフトで手選別作業台横に置かれる
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作業台では、収集袋からびんを取り出して色別に選別をする
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2名で行う手選別作業台。
手前のコンテナには選別されたびん -
中の状態がわかりにくい茶色びんは、金属
探知機で異物除去を行っている -
丁寧に異物除去が行われているが、乾電池
やライターなどの異物が多い -
作業台横のびん残さを集めたケース。不燃
性残さ貯留ヤードに運ばれる
- 保管設備
- ストックヤード
選別されたびんを色別の大型コンテナに収めて、フォークリフトで運び、無色、茶色、その他の色の各ヤードで保管。
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ストックヤード(屋内)
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無色びんのストックヤード(屋内)
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茶色びんのストックヤード(屋内)
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えんがるリサイクルセンター外観
品質向上のためのポイント
- ●各町の公式Webサイトにて分別に関する情報を発信。
- ●広報誌やWebサイト等で周知を図るほか、ごみ分別の手引きを全戸配布。団体などから要望があれば説明会などの実施。
- ●選別作業では金属探知機を使用し、異物混入を細かくチェック。また、リチウム電池やバッテリー類の扱いにも十分な注意を払っている。
- ●びんの破損などで生じる残さを軽減をするため、ステーション収集から一時保管、選別の各工程で、丁寧な取り扱いを徹底している。
- ●各家庭に対してリターナブルびんの周知を行い(使用後は購入した販売店へ返却)、リサイクルよりも優先度の高いリユース率の向上を目指している。
遠軽町「ごみ分別の手引き」ガイドブック
湧別町「ごみ分別の手引き」ガイドブック
佐呂間町「ごみ分別ガイドブック」